【車両査定表】業務効率の改善に加え、クレーム減少による利益向上にも貢献。 各拠点に『eas』を浸透させ、利用を促進するために注力した取り組みとは?
株式会社タウ
情報システム部 開発課 課長 菅野 孝様
企業名 | 株式会社タウ | ||
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設立 | 1997年6月 | 業種 | 商社(自動車関連)業 |
従業員数 | 580名 | 対象帳票 | 車両査定表 |
事業内容 |
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事故や風水害等による損害車のリユース事業を中心に、「モノや人が大切にされ続ける循環型社会」の実現を目指す株式会社タウ様。「車両査定表」のデータ化作業にかかるコストや、誤ったデータ化情報が元になりクレームが発生した際の損害が課題となっていました。
今回は情報システム部開発課課長の菅野様に『eas』導入前後の変化や、社内に浸透させる取り組みについてお話を伺いました。
「車両査定表」に記載した内容を各拠点の社員が手作業でシステムに打ち込んでおり、膨大な残業時間が発生していた。
また、風水害の発生時には社内のリソースが極端に不足し、深刻な課題となっていた。
残業時間の減少とともに、システムへのデータ化ミスも減少し、クレーム件数やクレーム金額の削減につながった。
タウ様では、現在「車両査定表」の入力を中心に『eas』をご活用いただいています。
「車両査定表」の概要を教えてください。
菅野様お客様から損害車を買取する際に、全国各地のサービスセンター(以下、SC)のスタッフが記入する紙の書類です。
当社では損害車を査定し、自社のオークションサイトを通じて販売する事業を展開しています。具体的には、年間10万台ほどの車を査定・販売・輸出手続きを行うなど、日々膨大な数を取引しています。
スタッフが記入した「車両査定表」の情報は、SCの社員が手分けをしながら、毎日夕方に仕入れシステムに1つずつ登録をしていました。
「車両査定表」のデータ化にあたり、どのような問題が発生していましたか?
菅野様大きく「通常業務」と「緊急対応」、2つの場面で課題がありました。
まず、「通常業務」の場面では、書類の記載事項が多いため、システムに登録する際に1件あたり5~10分の時間を要していました。社員1人あたり平均10件程度の情報をデータ化しますので、1時間以上の業務時間が発生します。それらが積み重なり、残業時間の過多を指摘される社員もいる状況でした。
そして「緊急対応」の場面ですが、例えば水害などの天災が発生した際のリソース不足が課題となっていました。
災害時は通常の10倍程度の査定業務が発生するため、SCメンバーのみではまかなえず、全社員が稼働して対応にあたる必要があります。私たち情報システム部門のメンバーも現場に出向きますし、全員が疲弊してしまう状態でした。
芦澤情報システム部門の方も現地に行かれるとは驚きました。菅野様ご自身の体験も大きかったのですね。
菅野様そうですね。
無事に査定業務が完了し、疲労で早く帰宅したいにもかかわらず、1件ずつシステムに登録する作業がとても大変だったんです。もちろん、通常時の現場の負荷も把握していましたので、何とか効率化を進められないかとAI-OCRの導入を強く検討するきっかけとなりました。
数あるAI-OCRのなかで、『eas』を導入いただいた理由を教えてください。
菅野様一番の決め手は「精度の高さ」です。
というのも、車の販売事業においては、顧客の信頼を損なわないためにも、ミスが許されないからです。
特に当社は海外への輸出が多いため、記載事項と実物が異なるなどの理由でキャンセルが発生した場合に、相当な損害金額が発生します。当社は全社的にもクレーム管理に力を入れており、「データの正確性」は最も重視したいポイントでした。
芦澤なるほど、会社全体の損失を防ぐ意味でも精度の高さが重要だったのですね。
菅野様はい。実際に5社ほどAI-OCRのサービスを提供する会社にお声がけをし、トライアルを実施しましたが、そのなかで『eas』の精度が最も信頼できると感じました。
また、費用面でのメリットも大きいこと。さらに、単に値を読み取るだけでなく、読み取ったデータを当社の状況に合わせて変換できることなども、導入の決め手となりました。
御社の方々の対応も早く、サポート面も含めて良いパートナーに出会えたことを感謝しています。
芦澤そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます!
『eas』の導入により、どのような成果があらわれていますか?
菅野様業務の効率化や生産性向上だけでなく、会社の利益向上にもつながっており、ダブルの効果を感じていますね。
前者については、現場からも「早く帰れるようになった」「導入して良かった」という声がたくさんあがっているんですよ。
また後者に関して、クレームの減少が一番の成果だと考えています。以前は月に300~400万円ほど発生していたクレーム処理費用がほぼゼロになりました。
経営陣も『eas』の効果だと感じてくれているようです。
『eas』を導入・活用されるにあたり、障壁となったことはありますか?
菅野様実は、社内への普及活動に一番労力がかかりました。
今回の取り組みは全国10数か所以上のSCの協力が必要であり、各拠点にAI-OCRの有効性を知ってもらう必要があったからです。
例えば、SCとの月次ミーティングの際に、取り組み内容や成果を紹介したり、活用に後ろ向きな拠点の意見を吸い上げて対応策を考えたりするなどのプロセスが発生しました。
芦澤たしかに既存の仕組みを変えるには、相当な時間とエネルギーがかかりますよね。
菅野様私が工夫したのは主に2点です。
1点目が、しっかりとデータで効果を示すこと。
例えば、『eas』の導入によりどのくらいクレームが減ったのか、数字をもとに説明するよう意識しました。
2点目が、社内のブランディング活動です。
全社の「掲示板」や「施策共有会」などで『eas』の成功事例を紹介しました。また、2023年には本取り組みを全社で表彰してもらうことができ、社内への認知を高める良いきっかけになりました。
芦澤それはすごいですね!
情報システム部門が主導で、ここまで社内に取り組みを浸透された例はあまりないのではないかと思います。私どもも大変嬉しいです!
菅野様当社の情報システム部では、「提案する情シス」を行動指針に掲げています。
業務改善につながる動きには積極的ですし、利便性を高めるための手段を常に模索しているイメージですね。
今後、どのように『eas』を活用していきたいですか?
菅野様「車両査定表」に関しては、引き続き活用していく予定です。
当社は昨今、自治体との災害時における復旧支援の提携を進めているため、今後も査定の件数が増えることが予想されます。
また、既に「送り状」や「車両配送伝票」などのデータ化にも『eas』を活用しはじめています。紙で収集せざるを得ない情報については『eas』を活用し、社内でのデータ登録に伴う手作業をできる限り減らしていくことを目標としています。
現在、当社にとって『eas』は必要不可欠な存在であり、もしなくなってしまったら非常に困ってしまうサービスとなっています。
ほかにも、ブランディング活動の結果、社内の他部門からも「自部署の書類をeasでデータ化できないか」といった相談を受ける機会が増えました。
個人的に、必ずしも社員が対応すべきでない業務は外注するのも1つの手段だと思っています。本来業務に集中することで生産性が高まり、クリエイティブな発想も生まれやすいからです。
そのような理想の実現を後押しするツールが『eas』であり、今後もさまざまな場面で活用していきたいですね。
芦澤菅野様のご尽力をお聞きし、現状を変えたい“思い”こそが大切なのだと実感しました。
そして、easを最大限活用いただき本当に嬉しく思います。今後とも成果の最大化に向けて全力でサポートさせていただきます!
貴重なお話をありがとうございました。