【届出書】非定型の書式でも精度の高いデータ化が可能。職員の業務工数の大幅な削減に寄与
三重県 環境生活部 環境共生局
資源循環推進課 立野 雄也 様、廃棄物対策課 吉岡 瑞貴 様
企業名 | 三重県 環境生活部 環境共生局 | ||
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設立 | - | 業種 | - |
従業員数 | - | 対象帳票 | 届出書 |
事業内容 |
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三重県では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律や三重県産業廃棄物の適正な処理の推進に関する条例に関する届出や報告について、循環関連産業に携わる事業者の利便性向上や業務の効率化につなげることを目的にDXの計画的な推進を目指しており、デジタル化の具体的な手法を検討されていました。
本活動の一環として、「令和5年度産業廃棄物処理業審査等に係るAI-OCRの提供等業務」において、当社の『eas』を導入いただくことが決定。今回は資源循環推進課の立野 雄也様、廃棄物対策課の吉岡 瑞貴様に、デジタル化を推進するにあたっての課題や『eas』への期待を伺いました。
年間5,000枚以上に及ぶ非定型の書類を10名強の職員でチェックしており、生産性や業務効率の面で大きな弊害があった。
eas導入後の成果電子化の適用範囲が広く、想像以上に精度の高いアウトプットを生み出すことができている。今後、さまざまな業務の書類での活用が期待できる。
まずは貴庁におけるDXをめぐる課題について教えてください。
立野様三重県環境生活部環境共生局では令和4年度頃から、DXを推進する動きが本格化しはじめました。
例えばホームページ上にチャットボットを設置したり、県民向けにWeb会議システムを用いた相談サービスの検証をするなどです。今回のAI-OCRにもつながりますが、効率性を重視し、RPAを審査に活用していくような取り組みも進んでいます。
そのなかで資源循環推進課では、廃棄物を出す事業者や廃棄物の処理にあたる事業者など、循環関連産業に関わる方々のDXを推進する業務を行っています。
また、廃棄物対策課では、各事業者様のDXを進めるうえで申請書類などの受け皿がデジタル化されていることが必要不可欠であることから、申請業務のDXに取り組んでいます。
今回、「AI-OCRの提供等業務」に関する入札を実施したのはなぜですか?
吉岡様私たちの業務は現在も紙文化が主体で、紙のみで申請を受け付けているケースや、簡単な変更であってもそのたびに紙面でやりとりするような状況です。
さらに、それらの紙書類を職員が時間をかけてチェックしていたため、効率面での問題が以前から指摘されていました。
一方で、いきなりすべてを電子化することは現実的でなく、まずは第一段階として紙で受け付けたものをデータ化するために、AI-OCRを導入しようという流れになりました。
AI-OCRを導入するにあたり、私たちが扱う書類は一般的なAI-OCRでは読み取れない内容が多いのではないかという懸念がありました。
例えば、現在最も取り扱いの多い「産業廃棄物収集運搬業変更届」は、車両の一覧を提出する必要があるのですが、三重県の様式と異なる書式で提出されるケースがあります。
また、県外の事業者様が提出する書類に関しては、8割程度が三重県の様式とは異なる書式です。
つまり、画一的でない書類を統一仕様でデジタル化しなければならないという課題があり、非定型の様式でもきちんと読み込めるようなAI-OCRを探していました。
芦澤定型外の様式の書類がそれほど多かったとは、驚きました。
吉岡様「産業廃棄物収集運搬業変更届」だけでも、年間で5,000枚くらいの書類が提出されます。また、多いときには一度に200台ほどのチェックが必要になることもあります。
1件あたりの処理にかかる時間が10分程度で、これまでは10名強の職員で確認を進めていましたので、およそ職員1人あたりの年間業務時間の約5%をチェック作業に費やしている状況でした。
仮に1人の職員がすべてのチェックを行うとしたら、それだけで1年分の業務量になってしまうほどです。
しかも、今申し上げたのはチェック部分のみの作業ですので、実際はデータベースからデータを取得したり、書き換えたりする作業も発生します。そのような意味で、業務の効率化を実現することが喫緊の課題でした。
芦澤改めて数字にしてみると、かなりの工数がかかっていたことが分かりますね。
写真左から 廃棄物対策課 班長 竹隈様、廃棄物対策課 主事 吉岡様、資源循環推進課 立野様
『eas』について、どのような点が貴庁のニーズにフィットすると感じますか?
吉岡様『eas』は私たちが想像していた以上に非定型のデータを読むことができ、電子化の適用範囲も広い印象です。
私たちがまさに必要としているタイプのOCRサービスだったのかな、と。
後工程のシステムとの連携などにより細かい指定が必要になる部分に関しても、柔軟に対応してもらうことができました。
さらに、不安であった非定型のものや、想定範囲外の情報も試しにデータ化してみたのですが、綺麗にデータにすることができ、非常に良いシステムだと感じました。
機械による読み取りだけでなく、「人の力」が加わることで自由度や精度が増しているのだろうと思います。
芦澤サービスの強みが、ニーズとしっかりとマッチして良かったです!
実際に『eas』を使用された職員の方からは、どのような声があがっていますか?
吉岡様使用感に関しては、「シンプルかつ直感的なインターフェースで操作しやすい」「マニュアルを十分に読み込まなくてもすぐに操作できる」といった意見が出ています。
また、御社側のフォロー体制もしっかりと整っていて、具体的な仕様を整えていく際にもサポートしていただくことができていますので、とても心強く感じています。
特に公務員職という特性上、当庁も2~3年で職員が入れ替わることも多いですし、職員間でパソコン操作の得意・不得意の差も出てきますので、サービス側でフォローしてもらえる手厚い体制があるのは非常にありがたいですね。
今後の展開についてはどのように考えていますか?
立野様今後は読み込む書類の種類を増やしていく予定です。
また、簡単な形式審査などにも『eas』を活用することで、職員がよりコアな部分の確認に集中できるような環境づくりに役立てていきたいです。
同時に、人間が見るべき情報と機械でも読み取れる情報とを区分けしつつ、機械が読める範囲の内容はどんどん『eas』に流す形にできると良いのではないかと考えています。
可能であれば、私たちが扱う車検証関連の書類の都合上、QRコードの読み取りなども可能になると嬉しいですね。
また、画像認識のAIなども活用しながら、車のナンバープレートの位置を特定し、そこに書かれている情報が読み取れるような機能が加わると助かります。
芦澤なるほど、そういったご要望があるんですね。
貴重なご意見をありがとうございます!ぜひ今後の開発の参考とさせていただきたく存じます。